口述試験

2007年12月13日 (木)

第29回 「二次口述試験対策」その②

第29回は、二次口述試験対策 その②、

事例Ⅲと事例Ⅳの想定問題と、伝説の口述試験体験記(音声のみ) です。

「shindan029.mp3」をダウンロード

↑PCで聴く場合は、これをクリックすると、番組を再生します。iPod以外の携帯プレイヤーで聴く場合はマウスで右クリックして「対象をファイルに保存」を選んで、mp3形式で保存してお使いください。
=====================================

今回も前回と引き続き、二次口述試験対策と称して、診断士暗記研メンバーが作成した想定質問を、その回答例を掲載します。また、面接テクニックも末尾に記載していますので、準備にご活用ください。

口述試験は、回答内容の正誤を問うものではなく、診断士としての基本的な応対スキルが身についているかを評価するものです。「社会人」として恥ずかしくない応対ができていれば、まず落ちることはないはずです。本ポッドキャストをつかって、英会話方式で実際に問題を聞いた後に再生をとめて回答をしてみることで、本番に備えたアドリブ力を鍛えてください。

また、本番であがらないために、質問のパターンを想定しておくのも有効です。
口述の質問には、(1)二次筆記試験の問題内容に沿ったもの、(2)問題文に出てきた基本用語や基本概念について聞かれるもの、(3)問題文で出てきた用語について聞かれるもの、(4)その問題で取り上げた業界の特徴などについて聞かれるもの、などがあります。
特に知っていないとこらえられない(2)や(3)についてはテキストをチェックしておきましょう。
答えられない問題が出たときのかわし方なども練習しておきましょう。

二次口述試験対策 その②

事例Ⅲおよび事例Ⅳに関する想定質問と、その回答例です。

※番組では、問題編のみを配信しています!

もし回答例を見ずに解きたい方は、以下ネタバレになりますので要注意です。

~事例Ⅲ 生産・技術の事例~

Q1.受注生産のメリット・デメリットについて、特に「見込み生産」に触れつつ、説明してください。

A1.受注生産は見込み生産と異なり、受注するまで製品の仕様が固まらず生産が開始できません。そのため、メリットとしては在庫を持たず製品や仕掛品の廃棄ロスが発生しない、個別仕様のため差別化がし易く価格競争に巻き込まれにくい、デメリットとしては短納期対応が困難でビジネスの機会ロスが発生する、事前にコストを正確に見積もることが難しい、受注量にばらつきが出やすく最大受注用を見越した余剰設備を持つ必要がある、などがあります。

Q2.印刷のような個別仕様の製品の販売においては、企画営業の強化が求められます。では、C社が企画営業力を強化するには、どのような方策が考えられますか?

A2.企画営業力の強化には、顧客の個別の問題点を正確に把握する分析力と、個別の問題点に対して最適な解決策を組み合わせて提案できる提案力の強化が求められます。
方策としては、営業マンだけでなく技術者やマネージメントも一体となった組織的な営業体制の確立、必要に応じて他社の製品も柔軟に取りこんで顧客要求に、営業会議やグループウエアなどを利用した提案事例などのノウハウの共有、顧客のタイプ別の提案パターンのテンプレート化による提案内容の標準化、自社で不足する技術やリソースを補完するため、他社と提携した提案内容の充実、などが考えられます。

Q3.現在では、印刷物の作成はおとんどDTPで行われるようになっています。そのDTPについて説明してください。

A3.出版物のデザイン・レイアウトをパソコンで行ない、電子的なデータを印刷所に持ち込んで出版することです。机上出版。実際には版下の作成までをパソコンで行なうことが多くなっています。ページプリンタやスキャナが高性能化・低価格化したことに加え、アウトラインフォント環境の整備、DTPソフトの進化によって、DTPはとても重要な要素となっています。

Q4.個人情報に関する取扱についてお尋ねします。最近、ISMSの認証を取得する企業が増えていますが、ISMSについて説明してください。

A4.ISMSとは、インターネット上のホームページの改ざん、ハードウェア/ソフトウェアのトラブルや関係者による情報の漏洩などの情報セキュリティ上の脅威に対して情報のセキュリティを保つために、個別の問題毎の技術対策の他に、組織のマネジメントとして、自らのリスクアセスメントにより必要なセキュリティレベルを決め、プランを持ち、資源配分して、システムを運用することです。 
組織が保護すべき情報資産について、機密性、完全性、可用性をバランス良く維持し改善することが情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の基本コンセプトです。

~事例Ⅳ 財務・ファイナンスの事例~

Q1.インターネット販売における個人情報の観点以外での留意すべき点を挙げ
よ。

A1.配送コストや代金回収をするためのコストが挙げられます。また代金が回収
できなくなるリスクもあります。ハッカーやウイルスに対応するためのセキュリティも装備する必要があります。

Q2.新製品のインターネット販売を効果的に行うためには、どのように行ってい
けば良いか。

A2.新製品の販売ターゲットは若年層の女性であり、彼女達はインターネットを
良く活用しています。この人たちに効果的に販売するための対策としては、以下の対
策が考えられます。
①専門家を起用するなどして、ホームページのデザインを洗練させる。
②メルマガやDM等を活用して販促を促す
③顧客情報を利用して、誕生日等の記念日にDMを送る。
④ホームページにブログやコミュニティ等を用意し、顧客同士による横の 繋がりを
利用する。
⑤適切な頻度でホームページを更新する。
⑥インターネットならではの特典を用意する。
⑦SEOにより検索ヒットが上位に行くようにホームページを作成する
⑧他のポータルサイトとのリンクを貼る

Q3.D社は売り上げ減少予想の中、従業員の削減はしないプランを立てています
が、もし固定費の削減、あるいは変動費化を目的に従業員の削減を行った場合、D社にはどんな影響が起きると予想しますか?またその際の留意点は?

A3.単純に人数を削減する場合ですと、その分残る従業員の負荷が高くなってし
まうため、取り扱い薬局への各種サービスの低下、あるいは技術開発力の低下といった、長期的にD社の業績に悪影響を与える可能性があります。また、正社員の派遣社員化といった従業員の負荷があまり高くならない形で、固定費の変動費化を を行ったとしても、人員削減を行った際には残る社員のモチベーションに大きく影響を与えますので、不安感が広がらないような、慎重な取り組みが必要とされると思います。

Q4.伝統的な町の薬局が次々と廃業に追い込まれている、という記述があります
が、今後、大手ドラッグストアと違う、こういった町の薬局に求められる役割はどのようなものがあると思いますか?

A4.大手ドラッグストアとの差別化という点で、地域に密着して、顧客の様々な
既往症や、アレルギー情報などを踏まえた上で、1顧客ではなく、1個人との関係を深めていく、かかりつけ薬局としての役割が求められていくと思います。その実現のために、スタッフの意識やサービス技術の向上、サービスを補助するための 情報化などが、今後の鍵になっていくと思われます。

面接テクニック集

「気持ちのいい挨拶で、あなたの良さをバッチリ印象づけましょう」
何事も最初が肝心です。初めて出会う面接官の先生です。最初の一言、第一印象は特に重要ということがいえます。最初に受け取った情報が後々まで影響することを、心理学用語で 「初頭効果」 といいます。最初に好印象を与えることができたら、多少のことがあったとしても、 好印象がキープされるのです。

最初の一言といえば挨拶です。ご存知のとおり挨拶はコミュニケーションの基本です。コミュニケーション能力が問われる口述試験では、とても重要な位置を占めていると私は考えます。

また挨拶は、他人にペースを乱されることがありません。挨拶の途中で無理に急かされることはありません。ましてや質問が飛んでくることは絶対にありません。したがって、どんなペースで、どんなフレーズを用いて、どんな工夫をしようがあなた次第なのです。挨拶は、診断士試験の中でも数少ない、あなたが能動的に仕掛けることができるチャンスなのです。

最初の印象を決める挨拶。能動的に仕掛けることのできる挨拶。
あなたは口述試験のために、どんな挨拶を準備していますか?

私はこう考えました。「元気があって、素直」な人材を印象づける挨拶をしようと。ではなぜ「元気があって、素直」な印象を目指したのでしょうか?
(具体例は本編でたっぷり実演させて頂きましたので、ぜひご参照ください。)

口述試験で面接を担当される方は、多くの受験生より先輩の方が担当されます。「元気があって、素直」な後輩に悪意を抱く方は少ないのではないでしょうか?一方で、若くて、賢くて、小生意気な若造という印象を持たれた場合は、口述の内容そのものが評価に大きく反映されてしまいます。口述が成功に終わればそれに越したことはありません。しかし、多少のヘマをやらか
しても、「元気があって、素直」は、その失敗を緩和してくれるのです。

では、どうすれば「元気があって、素直」を印象づけることができるでしょうか?まず元気。声は大きく、ハキハキと口調で話すことで、元気な人材を印象づけましょう。そして素直。丁寧な挨拶と、傾聴する姿勢で、素直な人材を印象づけましょう。挨拶はコミュニケーションの基本です。最初と最後。2つのあいさつであなたの良さをバッチリ印象づけましょう。

さて、今回の口述体験談では、昨年の私の実体験をやや面白おかしくお伝えさせていただきました。それは「こんな人でも合格できるのか」と思っていただくことで、リスナーの皆様の緊張を少しでも和らげたいと考えたからです。

しかし、本番の口述試験では、思いもよらぬ緊張感に襲われるかもしれません。最後に信頼できるのは、努力し切ったという己の自信です。したがって、口述試験を甘く考えることなく、ご自身ができる最高の準備をした上で本番を迎えて下さい。

みなさまが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、診断士暗記研一同お祈り申し上げます。頑張って下さい!!!

次回から、再び1次試験対策の番組をお送りします。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2007年12月 8日 (土)

第28回 「二次口述試験対策 その①」

第28回は、二次口述試験対策 その①です。

「shindan028.mp3」をダウンロード

↑PCで聴く場合は、これをクリックすると、番組を再生します。iPod以外の携帯プレイヤーで聴く場合はマウスで右クリックして「対象をファイルに保存」を選んで、mp3形式で保存してお使いください。
=====================================

今回は、二次口述試験対策と称して、診断士暗記研メンバーが作成した想定質問を、その回答例を掲載します。また、面接テクニックも末尾に記載していますので、準備にご活用ください。

口述試験は、回答内容の正誤を問うものではなく、診断士としての基本的な応対スキルが身についているかを評価するものです。「社会人」として恥ずかしくない応対ができていれば、まず落ちることはないはずです。本ポッドキャストをつかって、英会話方式で実際に問題を聞いた後に再生をとめて回答をしてみることで、本番に備えたアドリブ力を鍛えてください。

また、本番であがらないために、質問のパターンを想定しておくのも有効です。
口述の質問には、(1)二次筆記試験の問題内容に沿ったもの、(2)問題文に出てきた基本用語や基本概念について聞かれるもの、(3)問題文で出てきた用語について聞かれるもの、(4)その問題で取り上げた業界の特徴などについて聞かれるもの、などがあります。
特に知っていないとこらえられない(2)や(3)についてはテキストをチェックしておきましょう。
答えられない問題が出たときのかわし方なども練習しておきましょう。

二次口述試験対策 その①

事例Ⅰおよび事例Ⅱに関する想定質問と、その回答例です。

※番組では、問題編のみを配信しています!

もし回答例を見ずに解きたい方は、以下ネタバレになりますので要注意です。

~事例Ⅰ 組織の事例~

Q1.従業員満足の調査を行う上での留意点は?

A1.一つめとして、匿名性が確保され回答者が安心して率直に回答できること。二つめとして、質問が具体的で回答しやすい質問項目であること、三つめとして経営陣が結果を聞いた時に受け入れることができるということなどがあります。特に三つめのケースの場合、従業員調査を行っても、受け入れられず、その結果が会社に反映されず無駄になるということがあるので、最初の段階から意識づけをおこなうことが重要です。

Q2.人事評価における考課者が陥りやすいエラーについて教えて下さい。

A2.考課者が被考課者の大多数の者を標準的に評価しすぎる中央化傾向、評価が甘くなる寛大化傾向、特定の要素や特徴によって全体の評価が幻惑されるハロー効果、考課者が自分と比較して反対の特性をもつ日考課者を過大あるいは過少に評価してしまう対比誤差などがあります。

Q3.Xブランド、Yブランドそれぞれについて、ブランド認知度向上のための具体策を述べよ。

A3.Xブランドは平均単価が10万円を超える高級アクセサリーであるため、購入客は中高年層である。この高級イメージを重視した店舗作りや接客を行うとともに、高級服メーカーとのタイアップにより、服とアクセサリーとの高級デザインを演出する。これを顧客の誕生日や結婚記念日等のイベントに合わせてDMを送付するなど行う。
Yブランドは平均単価が3万円程度で、購入客は若者は中心である。若者向けにカジュアルな服のメーカーとタイアップして、若い女性タレントを起用してインターネットや若い女性雑誌等を通じて宣伝を行う。

Q4.一般的に輸入商品を販売することにおけるリスクを述べよ。

A4.為替リスク、輸入貿易の代金決済に対するリスク、相手国の情勢に左右されるリスク、石油の高騰に対するコスト増のリスク

Q5.社長はXブランド、Yブランドの他に大手国内ブランドを取り扱うかどうか迷っている。それについてアドバイスせよ。

A5.A社は輸入ブランドのイメージがあり、既存客もA社のそのブランドイメージを重視して購入していると思われる。ここで国内ブランドを取り扱うと、せっかく培ったA社のブランドイメージが損なわれてしまう。ゆえに、大手国内ブランドを取り扱うべきでない。

Q6.現在A社の直営店は都心の路面店1店舗のみであるが、社長は2店舗目の直営店を置くか迷っている。それについてアドバイスせよ。

A6.直営店はインストアショップに比べて独自の販売戦略や店舗運営が可能であるため、A社のブランド力強化の取組みや、他社に先駆けた情報発信等が行える。しかし、インストアショップのように大手ショッピングセンターの知名度を利用して集客を図ることが出来ないため、直営店でも十分な集客を見込むための、店舗の立地場所の十分な調査が必要である。


~事例Ⅱ マーケティングの事例~

Q1.B社の2店舗目を駅前商店街に置く場合、郊外にある現店舗と比べて、品揃え、サービスの点でどのようにすれば良いか。

A1.駅前商店街の新店舗の場合、郊外の現店舗と比べて店舗面積は大きくないと予想される。
よって、新店舗は専門的商品や新築用器具等に特化すると共に、施工請負、新築工事、リフォーム工事向けの提案サービスの拠点とする。
そこにない材料については郊外の現店舗を紹介し、顧客を現店舗にも誘導することにより、お互いの店舗同士でシナジーを発揮することが出来る。

Q2.B社の知名度、ブランド力を向上させるために考えられる、他のイベントは何が考えられるか。

A2.地元のお祭り等のイベントに出展する。例えば木工工芸展や、地元の神社等に飾りつけを行う。

Q3.B社が大手ホームセンターの進出に対抗するために品揃えを見直す際に、どのようなことに留意する必要がありますか?

A3.2つのことに留意する必要があります。1つは、既存の商品とのシナジーがあるかということです。相乗効果が見込める商品を新たに置くことにより売上拡大につなげることができます。次に、販売可能性についてです。品揃えを増やす商品が現在の顧客層に対しどのくらい売上の見込みがあるのかを見極める必要があります。

Q4.B社小売以外にリフォーム業者としてサービス業に本格参入することになった場合、サービス業のマーケティング戦略として、どのようなことを留意する必要がありますか。

A4.サービス業では、顧客に対し充分なサービス提供を行うには、顧客と直接接する従業員つまりコンタクトパーソネルの満足を高める必要があります。接客をする従業員に対し、B社は充分なインターナルマーケティングを行う必要があります。また、サービス業の特性として、無形性、非均一性、不可分性、需要の消滅性が上げられます。これらに対しても必要な対策を取ることが求められます。

Q5.B社がオリジナルブランド(プライベートブランド)の工具を販売する場合のメリットとデメリットを教えてください。また、効果的なPB商品のプロモーションの方策を教えて下さい。

A5.メリットとしては2点上げられます。1つは売上におけるマージンを高めることができること、次に、顧客が他店では手に入らない商品を購入し満足が得られた場合、ストアロイヤルティの向上につながることです。デメリットは2つ上げられます。在庫管理やプロモーションにコストが発生すること、過剰在庫を抱えるリスクが生じることの2点です。

   プロモーションの方策としては、2つあります。1つは木工教室や園芸教室の際にPB商品の商品を使うことです。次に、PB商品の工具については、貸し出し価格を他社製品よりも安くすることです。実際に試用する機会を多く設けることで、販売増加につなげます。

Q6.B社がインターネットを用いてストアロイヤルティを高める方策として、どのようなものが挙げられますか。具体的な方策を教えてください。

A6.方策は3つほどあります。一つはホームページを開設し、掲示板を設置し顧客間での情報   交換の場を設けます。例えば、園芸においては育成方法や病気になってしまった場合の対処法を教え合う場とします。次に、ホームページを通じて顧客を会員登録させ、登録時に入力したメールアドレス宛てにクーポン券などの配信を行います。顧客の属性に関するデータを入手し、品揃えなどに反映させます。3つ目は、DIYや園芸のポータルサイト化を行うことです。知識に長けた従業員に木工教室や園芸教室で行ったことを文書化しノウハウを顧客に伝えていきます。

面接テクニック集

 ・ゆっくり話す。はっきりと大きな声で話す。

 ・答えが思い浮かばない時は、質問を確認するなどして、時間を稼ぐ。

 ・どうしても答えが分からない時は、「持ち帰り調べまして、後日ご回答します」と答える

 ・面接官からの追加質問は相手からの助け舟。チャンスである。

 ・堂々して、相手を見る。

 ・ジャスチャーを交えて話すと良い。・・自分の癖を把握し、面接イメージを損なわないようにする(視線をきょろきょろする、貧乏ゆすりをする、あの~、え~)

 ・良い答えが浮かばなくても良いので何でも答える。すると、追加質問が来るので、それに対して答えると回答が軌道修正される。

 ・他社事例等の具体例を挙げて述べると良い。

 ・各社の模擬面接を受けて慣れると良い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)