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2007年8月

2007年8月26日 (日)

第12回 「損益分岐点分析」

第12回は、財務会計から「損益分岐点分析」です。

「shindan012.mp3」をダウンロード

↑PCで聴く場合は、これをクリックすると、番組を再生します。iPod以外の携帯プレイヤーで聴く場合はマウスで右クリックして「対象をファイルに保存」を選んで、mp3形式で保存してお使いください。

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ポッドキャストで触れなかった点をさらに詳しく解説していきます。

損益分岐点分析の方法 4つ

損益分岐点の計算は、どの方法で出題されても回答できるようにしておきましょう。

1.勘定科目法: 財務諸表上の勘定科目をそれぞれ固定費と変動費に分けて積算する方法。一番確実だが面倒な方法。

2.二期間比較法: 2期の売上と費用の値から、直線の切片と傾きを逆算して、固定費と変動費率を求める方法。要は二元一次方程式を解いて切片と傾きを求める。

3.スキャッターグラフ法: 横軸を売上高、縦軸を総費用としたグラフ上に、過去の売上高と総費用の実績を散布図(スキャッターグラフ)として記入して、目算で総費用線を引いて、切片(固定費)と傾き(変動費率)を求める方法

4.最小二乗法: 計測データの整理に使われる最小二乗法を使って、総費用線を求めて、固定費と変動費率を求める方法。

直接原価計算: 損益分岐点分析を行うための原価計算方法。これに対して、変動費と固定費を区別しない普通の原価計算方法は全部原価計算という。固定費と変動費に分けることにより、利益目標額から販売額を逆算しやすくなり、販売目標や生産目標を立てやすくなる。

貢献利益(限界利益): 売上高から変動費を引いた額(つまり固定費を引く前の利益)。これがマイナスになると、商品を一個売るたびにお金が減ってゆく状態なので、直ぐに販売をやめたほうがいい。事業自体が赤字だとしても貢献利益がプラスならば、とりあえず設備投資などの固定費にかけたお金を多少は回収できていることになる。

※(2007.9.10追加) 商品別や事業部別に利益への貢献度分析を検証する場合には、「貢献利益」と「限界利益」は区別して使われることがあります。
その場合、「限界利益」=売上高-変動費となります。貢献利益は、この限界利益から
さらに個別固定費を引いた利益、つまり「貢献利益」=「限界利益」-「個別固定費」となります。
つまり、固定費にも個別商品に依存するような費用が含まれている場合、商品別(事業部別)採算性を更に正確に分析するために、固定費を更に「共通固定費」と「(部門毎)個別固定費」に分けて考え、変動費だけを考慮するものを限界利益、変動費+個別固定費で考慮する場合を「貢献利益」と呼びます。(平成18年度の二次試験の第四問でこの区別が問われました。)

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2007年8月17日 (金)

第11回 「多角化の理由」

第11回は、企業経営理論から「多角化の理由」です。

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ポッドキャストで触れなかった点をさらに詳しく解説していきます。

多角化の理由 5つ

1.余裕資源の活用: 余裕資源(組織すラック)を有効活用して、別のビジネスを行う。空いている設備や人を活用するなど。旧国鉄が昔JRになるとき、余剰人員を駅ナカの店舗の店員にした。いまでも駅スペースを駅ナカ超一等地店舗にして儲けている。クリーニング屋で写真の現像を受け付けていたのも、これか?

2.新しい事業分野の認識: ホンダやソニーが輸送機器やエレクトロニクスの製造術を生かしてロボットを作ろうとしているようなケース。

3.主力事業の需要停滞: こうなってからでは、なかなかうまく行かない?ベンチャー企業がIPOを目指して無理な無関連多角化の買収を繰り返して売上だけ拡大するのも、これの派生系か?

4.リスク分散: 複数事業を持っておくことで、想定外のリスクによる売上や利益の激減に備えておこうという考え方。類似の市場では共倒れになる可能性があるので無関連多角化のほうがリスク分散のためには有効。

5.シナジー追求: 既存事業と新しく始める事業に、何らかシナジーが働くため強みを発揮して市場参入ができる場合。こちらは、関連多角化になる場合が多い。

シナジー: 生産シナジー、販売シナジー、マネジメントシナジーの3つがある。
販売シナジーは既存の流通チャネルが使えたり販売ノウハウが使える場合。
生産シナジーは既存の生産設備を流用できたり、共通技術で別分野の製品が作れる場合など。
マネジメントシナジーは、インターネットビジネスやフランチャイズのノウハウなど、企業のビジネスモデルのマネジメント能力やノウハウが転用できる場合。

範囲の経済: シナジーと同じ言葉。複数の事業を別々の企業が行うよりも一つの企業で行ったほうがシナジーが効いてコスト的に有利であること。ファミレスチェーンが和洋中華と別ブランドで展開しながらも材料の需要はグループでまとめて一括仕入れにすることで、コスト面で有利な条件で仕入れるなど。

製品-市場マトリクス: アンゾフの成長ベクトルとも言う。企業の成長戦略をマトリクスであらわしたもの。新製品-新市場のセグメントが多角化セグメント。


既存製品(技術) 新規製品(技術)
既存市場(顧客) 市場浸透戦略 新製品開発戦略
新規市場(顧客) 新市場開拓戦略 多角化戦略

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2007年8月11日 (土)

第10回 「サービスの特性」

第10回は、企業経営理論から「サービスの特性」です。

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皆様、一次試験お疲れ様でした。手ごたえはいかがでしたでしょうか。しばし休養を取って英気を養い、次の2次試験向けてがんばってください。

私も昨年の夏休みは、クーラーのきいた図書館にこもって一日4問づつひたすら問題集を解いていました。論述問題とはいえ出題のバリエーションはだいたい決まってきます。数をこなすのも有効だと思いますので、がんばってください。

「秘伝!診断士案記述」もここで一区切り、第10回を迎えました。今回から2次対策にも使える語呂合わせをお届けしてゆきます。今後もますますパワーアップしてお届けしてまいりますので、よろしくお願いいたします。

ポッドキャストで触れなかった点をさらに詳しく解説していきます。

サービスの特性5つ

1.無形性:サービスには「形」がないので、見えるようにしましょうということ。デパートやホテルのトイレでトイレットペーパーを三角に折るのが有名。

2.品質の変動性:サービスは人が届けるので、その従業員のスキルによってサービスの質が変動するというもの。お客さんからすると、同じお金を払っているのにスキルが低い・態度の悪い従業員で対応されたら怒りますよね。なので、従業員を教育したりマニュアル化して一定レベルを維持するようにします。

3.不可分性:サービスは生産と消費が同時で分けられないというもの。
4.消滅性:サービスは保存や在庫が効かないというもの。

現在はビデオやインターネットという文明の利器により、時間をずらして好きなときにサービスを受けられます。英会話も、私の時代は朝6時に目覚ましを鳴らして寝ぼけながら「基礎英語」のラジオ番組を聴きました(つらかった!)が、今ならポッドキャストでダウンロードして通勤電車で聞けるので便利になりましたよね。

5.需要の変動性:消滅性のために在庫が効かないので、サービスは需要変動に対応しにくいということ。バイトを雇って人手を増やすのもあるが、品質が下がる可能性が大きいので、繁忙期は価格を高く閑散期は安く設定して需要を分散するというのは一つ。あとは、銀行や病院に雑誌が置いてあって待ち時間を心安らか(?)にすごせるようにする手もある。

インターナルマーケティング

サービスの質は従業員に依存するので、まずは従業員を客として見て、やる気を高めたり一つの目標にまい進させたりすることが重要というもの。「将を射るならばまず馬から」ということでしょうか。

インタラクティブマーケティング

サービスの質は、顧客と従業員のインタラクション(相互のやりとり)の質に影響されますよ、というもの。簡単に言うと客と従業員が仲良くなると、顧客の満足度が高まるということです。床屋やバーは行きつけになるというのが例。 逆に店員との馬が合わないと、足が遠のいてしまう。 ただ、店側が一部の客だけに親しげにしすぎると、新規客から敬遠されることになるので、ほどほどに。

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2007年8月 2日 (木)

第9回 「組織の成立条件と存続条件」

第9回は、企業経営理論から「組織の成立条件と存続条件」です。

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ポッドキャストで触れなかった点をさらに詳しく解説していきます。

「組織」

バーナード(Barnard, Chester I.)は組織を、「意識的に調整された人間の活動や諸力の体系であり、少なくとも一つの明確な目的のために二人以上の人々が協働することによって、特殊の体系的関係にある物的、生物的、個人的、社会的構成要素の複合体」と定義しています。

文章にすると難しいですが、要は「一つの目的に向かい二人以上の人が共に働く」ということを意味しています。

「組織の成立条件と存続条件」

皆さんはどんな組織に所属されているでしょうか?会社や学校、サークル、研究会、勉強会などいろいろな組織に所属されていませんか?

皆さんの所属している組織を振り返ってみると、ずっと昔からあるものや、あるいは以前は活動していたけれど今はほとんど活動していないというものもあるのではないでしょうか。

今回はそんな組織の成立条件および存続条件についてです。

(1)組織の成立条件

①共通目的: 経営目的のこと。経営者により明確にされ、容認されなければならない。共通目的がトップにより明確に示されていないと、ついていこうとは思いません。トップの明確なリーダーシップが必要になってきます。

②貢献意欲(協同意欲):個人の努力を共通目的の実現のために寄与していこうとする意志や意欲のこと。個々人は自分の意思をもって生活しているので、組織からの誘因を個人に提供し続ける必要があります。誘因は人それぞれ異なりますが、例として給料や福利厚生、昇進などが挙げられます。

③コミュニケーション:コミュニケーションがあることにより、共通目的に向けての貢献意欲が引き出されます。ある調査では、コミュニケーションの質や量が、業績へ影響しているという調査があります。また、多くの企業で導入されているMBO(目標管理面談)はまさにこの目的で行われているということが多いです。

(2)組織の存続条件

①有効性:共通目的を達成するための組織のもつ能力や達成度合いを指します。これは経営者のリーダーシップの影響が大きいといいます。以前、日産自動車のV字回復ということがありましたが、これはまさにトップのゴーン氏のリーダーシップが大きかったと認められています。

②能率:個人の動機を満足させるための組織のもつ能力や個人の動機の満足度を指します。個人の貢献意欲を喚起・持続するためには「誘因≧貢献」という状態にある必要があります。日本経済新聞の調査によると、入社して3年以内に辞めてしまう人は入社した人の約3割にあたるという記事がありました。この会社に貢献したいという意識よりも、会社への魅力がなくなり起きている現象とも言えるのではないでしょうか。

組織論は、皆さんの周りの組織を想像しながら学習するのが、合格の近道です。

「自分の周りの組織はどうなんだろう?」と考えながら学習すると、2次試験対策としても有効となります。

ついに一次試験まで、あとわずかとなりましたね。
最後になりましたが、中小企業診断士暗記研一同、皆様のご健闘をお祈りしています。

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