第1回「QC7つ道具」
第1回の今回は、運営管理から「QC7つ道具」の出題です。
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以下はPodcastで説明しきれなかった語句の解説です。
「QC7つ道具」
QCでよく使われる数値データの分析の道具です。以下の7つがあります。
・パレート図:棒グラフに折れ線グラフが重なった形のグラフで、最初の2割の項目で80%に達することが多いので、いわゆる2-8の法則を説明するのに使われます。ABC分析にもよく使われます。
・ヒストグラム:単なる棒グラフに見えますが、縦軸が度数分布になるので、横軸の数値の上ではなく、数値の間に棒がかかれるのが特徴です。
・管理図:縦軸上下にある測定値、横軸に時間などの進捗を取って、プロセスが問題なく運用されているかを管理するための図です。横軸の上下に並行に管理限界線を引いて、それからはみ出ないように制御したり妙な周期性が発生しないかを見たりします。
・散布図:データを2つの切り口からグラフ上にプロットしたもので、2種類のデータの相関関係を見るものです。
・特性要因図:フィッシュボーンとも言われます。ある現象の原因を魚の骨の形に整理してわかりやすくしたものです。
・チェックシート:「単なる?」チェックシートです。「7つ道具」が語感が良いので数合わせのために入れたような・・・。
・層別:いろいろなパラメータで区別してデータを取ったり、取れたデータを多様な切り口で分類してみて、原因究明や改善に結びつきそうな切り口を探したり、品質管理を容易にすものです。グラフ類を作るときに適切な軸を選択するための事前作業というところでしょうか。
※ 層別の代わりに「グラフ」を入れる場合もあるようです
また、「QC」に関連する語句も、以下に解説します。
「QC」
Quality Controlつまり品質管理のことで、JISでは、「買い手の要求に合った品質の製品・サービスを作り出すための手段」と定義されています。ちょっと分かりいにくいですね。具体的には、不良率など、達成したい品質レベルを明確に定義して、それを達成するための改善手法を、経験や勘ではなく事実や観察に基づいて選択して、計画・実行・統制して継続的に改善してゆくものです。おもしろいのは、単なる管理手法としてではなく、現場の一体感醸成や活性化、あるいはPlan-do-seeの教育の手段として活用されたところです。私の会社でも、職場ごとに「QCサークル」というのが作られ、就業時間外にディスカッションや発表資料作りに駆り出されたのを思い出します・・・。
もともと、QCは海外生まれのコンセプトでしたが、品質の管理というのが日本人の几帳面さに合うらしく、本家より盛んになったようです。(ISOやZDなどもそうですが)
「TQM」
Total Quality Managementのことで、全社的な視点から品質を管理して、全社的にQCに取り組みましょうというものです。QCサークルのような小集団活動だけだと部分最適に陥ってしまうので、全体最適でやらないといけませんよ、という考え方です。
「ISO9000とQCの比較」
QCもISO9000も品質管理の手法ですが、考え方が異なります。ISOは国際標準化機構で、もともとJISのような工業的規格だったのですが、物の品質を規定するだけでは飽き足らなくなり、業務の品質を規定し始めたのがISO9000をはじめとするマネージメントシステムです。ISO9000や14000などは、業務プロセスの管理体制の実行レベルの品質を管理するものです。つまり、ISO9000を取っている工場は、品質向上のためのPlan-do-seeをきちんとやっていますよ、ということが保証されているということです。逆に言うと、ISO9000を取っているからといって、その会社の不良率を下げる能力自体が保証されているわけではないので、実際に不良品が少ないかは別問題だというところが、判り難いところです。
ちなみに、先のQCとISO9000を比較して、「QCがボトムアップの品質管理活動であるのに対して、ISO9000はトップダウンの品質管理活動です。」って良く説明されます。
「新QC7つ道具」
新QCのほうは、QCの考え方が、生産現場だけでなく営業・研究開発・サービスなどに広がって全社的なTQCになってゆくなかで、定量的なものだけでなく定性的なデータを分析する必要が出てきたので、そのための代表的なツールを集めたものです。親和図法、連関図法、系統図法、マトリックス図法、マトリックス・データ解析法、アロー・ダイヤグラム法、PDPC法の7つです。こちらも機会があれば、語呂合わせで詳しく解説したいと思います。
では、また次回もお楽しみに。
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